前回までは、水深を少しずつ変化させながら計算し、上流側と下流側のエネルギーの差が0に近づく水深を求める方法を説明しました。
しかし、水路の形状によっては、水深をどのように変化させてもエネルギーの差が0に収束しない場合があります。
例えば、次のような場所です。
- 短い区間で水路底に大きな高低差がある
- 水路幅が急激に広くなっている
このような場所では、水面がなめらかにつながらず、実際の流れでは水が落ち込むような流れになることがあります。
つまり、これまでのように上流側と下流側の水面が連続しているものとして水深を求めようとしても、そのような水面形そのものが存在しないため、エネルギーの差を0に収束させることができません。
下図のように上流側断面2の河床高Z2が高すぎるので、E1とE2が一致せず差εが生じています。このような場合には落差になっているということです。

このように水が落ち込む地点では、その地点をいったん不等流計算の区切りとして考えます。
そして、落ち込みが発生する地点の水深を限界水深hcとして設定します。

その後は、
落ち込み地点の限界水深を新しい計算開始水深として、そこから改めて不等流計算を行います。
つまり、無理に前後の水面を連続させてエネルギーの差を0にしようとするのではなく、
水面が連続しなくなる地点で一度計算を区切り、限界水深から計算を上流に向かって(常流の場合)再開する
という考え方です。

※常流の場合の図
矩形断面の限界水深hcの公式
- hc:限界水深
- Q:流量
- g:重力加速度
- B:水路幅
不等流計算でエネルギーの差がどうしても収束しない場合には、計算方法だけでなく、実際の流れがその地点で連続した水面形になっているのかを確認することが重要です。
